浅尾省五の楽園紀行

関連記事へ 第1回 タテゴトアザラシの赤ちゃんの撮影記
2001年3月 カナダ セントローレンス湾
トップページへ
 
2001年2月26日から3月15日までカナダの東部のセントローレンス湾にあるマドレーヌ島( Madeleine Island )を拠点に、流氷上で出産するタテゴトアザラシ(Harp Seal)の赤ちゃんを取材した。アザラシウォッチングは2月28日から解禁されるが、世界中から集まった取材陣の先頭を切って、今期初めての私たちのアザラシ取材に出発する光景が地元の新聞のトップに載った。

(右は報道された新聞で中央の黄色の右どなりが私)
 
アザラシは、はるか沖合の流氷上に出産するためヘリコプターで30〜40分間かかって現場に行く。今年から新たな試みとしてアザラシが沢山居るあたりに砕氷船を配備し、人数的な制限はあるが氷上での休憩、宿泊が可能となった。今回の氷上取材は12日間と十分にあったため晴天や雲天、朝焼けや夕焼け、夜間や、おまけに吹雪まで撮影することが出来た。
 
生まれたばかりのタテゴトアザラシの赤ちゃんはイエローコートと言ってまるで黄色のコートを着ているみたいだ。母親から飲む非常に濃いミルクのお陰で一日あたり2〜3Kgも体重が増えて5〜6日も経つとまるまる太った銀色に輝く毛並みに変わった大きな子供となり、すぐに水浴びを始める。およそ2週間ほどで母親から自立して一人で生活を始めるようだ。
 
大きく、こぼれそうな目からは涙があふれ、とても可愛い。
生まれてすぐは、撮影している私を親かと思って寄ってくるが、においを確認し、親ではないと判るとさっさと逃げていく。
 
4〜5日目の子供は、もうまるまる太っており、触らるれることは嫌だが逃げていくのもくたびれるのか、少々さわっても人形のようにじっとしている。
 
氷上は晴天の日中でおよそ0度くらい。風が吹いたり天候が悪いと体感温度は相当下がる。今回確認した昼間の最低体感温度はマイナス38度であった。砕氷船で砕いた後の氷の割れ目の海水が、すぐに凍っていくほどの気温だ。ムスタングスーツを着込んでいるので身体は寒くないが、僅かに出ている顔や手はとても冷たくなる。
地球上には素晴らしい世界があるものだ!


(私のスナップは写真家 井村 淳さん撮影)