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1996年11月のホッキョクグマ撮影を皮切りにカナダの自然に魅せられ撮影を続けています。
カナダはとても広く魅力ある動物も沢山居ますが、私はその中でも特にタテゴトアザラシの赤ちゃんの誕生から独り立ちまでが見られる時期に毎年カナダを訪問している。もちろん多くの方をご案内しての訪問で、ご一緒したどの方も感激されます。

アザラシが見られる場所は北米大陸西側のセントローレンス湾。 この辺りの海は一面流氷で覆われアザラシたちが流氷状で出産をします。
 


生まれたばかりの赤ちゃんは黄色をしている
アザラシが見られる場所
カナダ セントローレンス湾、基地からヘリコプターで約30分〜1時間の流氷上(地図上の赤い範囲)で沢山のアザラシが出産します。

タテゴトアザラシの赤ちゃんが見られる時期
アザラシの赤ちゃんは厳寒の2月下旬から3月初旬にかけてカナダのセントローレンス湾の流氷上で一斉に誕生します。しかし、法律により3月1日以降でないと流氷上にアザラシを求めて、船も、ヘリコプターも、飛行機も飛ばすことが出来ないのです。従って3月1日がアザラシウォッチングの初日となります。

地図で見ると狭い範囲に見えますが、実際は広い海域なのでヘリコプターでも島を飛び立ってから早くて30分、普通で約1時間飛行した距離にアザラシたちは居ます。

タテゴトアザラシの赤ちゃんの成長
タテゴトアザラシの赤ちゃんの成長はとても早いのです。誕生するとすぐに動き回ります。その時はイエローコートと言って金色に似た黄色の毛をし、体はほっそりとし弱々しい感じがします。

生後2日目位になると、しっかりとした体つきになります。母親から脂肪分たっぷりのミルクをもらうのでビックリするような早さで大きくなっていきます。(1日に、およそ2Kgほど体重は増えていくとも言われています。)

3日目〜5日目になるとシルバーコートと言って真っ白で、それは美しい毛色をし、丸々太った赤ちゃんとなります。
この頃になると、動くのが辛くて?か私たちが近づいてもほとんど逃げません。赤ちゃんはちょっと怪訝な顔をしますが体を触ったりできます。赤ちゃんとツーショット写真も、この頃の赤ちゃんが最適です。

生後1週間位経つと、赤ちゃんは水泳の練習が始まります。お母さんが氷の割れ目や、自分で掘った氷の穴から赤ちゃんを水中に呼び練習をさせます。この頃にはうっすらと黒い毛が混じってきます。

生後10日〜2週間が経つと赤ちゃんは独り立ちの準備に入ります。この頃になると泳ぎもかなり上達し一人でも水に入ります。時期は3月の中旬、気温も上がり、流氷も南下が進み、大きかった流氷はだんだん粉々状態になり、アザラシも流氷の上では生活できなるため水中生活をしながら母親から独り立ちをしていきます。


アザラシへの接し方
私たちがヘリコプターでタテゴトアザラシの赤ちゃんの近くに降りるとアザラシの母親たちは赤ちゃんを残して一目散に海中に潜って逃げます。赤ちゃんたちは流氷上にじっとして身を隠していますが、すぐに見つかります。生まれたばかりの赤ちゃんは私たちが近づくと母親かと思って近づいてきますのでじっとしていましょう。赤ちゃんは私たちに近づき臭いをかぎます。母親の臭いではないと分かるとさっさと逃げていきます。子供たちは違う母親に近づくと半殺しの目に遭うことを知っているのです。

アザラシの母親は自分の子供の臭いを良く覚えていて、自分の子供以外の赤ちゃんが近付いてくると鋭い爪で、赤ちゃんが血だらけになる程引っかきます。
私たちが親子の間に入って近づくと親子は別々になり異なる親子が再会し、自分の子供でないと分かると悲劇が起こることになります。親子のアザラシが居たらあまり近づかないようにして撮影しましょう。

かわいい赤ちゃんを見つけると近づきたくなりますが、あまり近づきすぎると赤ちゃんも怖いのでどんどん逃げていきます。低い姿勢で赤ちゃんの近くにジッとしていると赤ちゃんの方から近づいてくることもあります。そんな時に、自然でかわいい表情のアザラシの赤ちゃんを撮影できます。



生後1〜2日経つと美しいシルバーになる


生後3〜4日経つととても大きくなり動きが鈍くなる


生後5〜6日経つと泳ぎの練習が始まる


お母さんと一緒にいられるのもあと数日と言う事も知らず赤ちゃんはお母さんと泳ぎの練習をする。
 


 
  2001年2月26日から3月15日までカナダの東部のセントローレンス湾にあるマドレーヌ島( Madeleine Island )を拠点に、流氷上で出産するタテゴトアザラシ(Harp Seal)の赤ちゃんを取材した。アザラシウォッチングは2月28日から解禁されるが、世界中から集まった取材陣の先頭を切って、今期初めての私たちのアザラシ取材に出発する光景が地元の新聞のトップに載った。

(右は報道された新聞で中央の黄色の右どなりが私)
   
  アザラシは、はるか沖合の流氷上に出産するためヘリコプターで30〜40分間かかって現場に行く。今年から新たな試みとしてアザラシが沢山居るあたりに砕氷船を配備し、人数的な制限はあるが氷上での休憩、宿泊が可能となった。今回の氷上取材は12日間と十分にあったため晴天や雲天、朝焼けや夕焼け、夜間や、おまけに吹雪まで撮影することが出来た。
   
  生まれたばかりのタテゴトアザラシの赤ちゃんはイエローコートと言ってまるで黄色のコートを着ているみたいだ。母親から飲む非常に濃いミルクのお陰で一日あたり2〜3Kgも体重が増えて5〜6日も経つとまるまる太った銀色に輝く毛並みに変わった大きな子供となり、すぐに水浴びを始める。およそ2週間ほどで母親から自立して一人で生活を始めるようだ。
   
  大きく、こぼれそうな目からは涙があふれ、とても可愛い。
生まれてすぐは、撮影している私を親かと思って寄ってくるが、においを確認し、親ではないと判るとさっさと逃げていく。
4〜5日目の子供は、もうまるまる太っており、触らるれることは嫌だが逃げていくのもくたびれるのか、少々さわっても人形のようにじっとしている。
   
   氷上は晴天の日中でおよそ0度くらい。風が吹いたり天候が悪いと体感温度は相当下がる。今回確認した昼間の最低体感温度はマイナス38度であった。砕氷船で砕いた後の氷の割れ目の海水が、すぐに凍っていくほどの気温だ。ムスタングスーツを着込んでいるので身体は寒くないが、僅かに出ている顔や手はとても冷たくなる。
地球上には素晴らしい世界があるものだ!
   
 

2002年3月3日から14日まで2度目のタテゴトアザラシの赤ちゃんを撮影しにカナダ東部のセントローレンス湾を訪れた。
今回は私の他に5名の方をご案内する撮影ツアーであった。

天候の回復のために1日スタンバイしたあと、やっと6人がそろって氷上に出た。拠点基地から1台のヘリコプターに全員が乗り、約45分も飛んだ。流氷の上ではタテゴトアザラシの赤ちゃんたちが沢山生まれていた。
今回は日本を発つのを少し遅くした関係で赤ちゃんは生後3〜4日経っていた。既にシルバーの毛に変わっており、誕生直後のイエローコート(黄色い色の毛)は見ることが出来なかった。

昨年と違ったことは数日前に降った雨が流氷の表面を溶かし、それが再び凍ったため流氷面がツルツルでとてもアイゼンなしには歩ける状態ではなかった。 6人のグループはヘリコプターもパイロットの他に6人乗りで、みんなで行動が出来たので大変よかった。
翌日はアザラシが居る辺り手停泊している砕氷船で一泊し夕日や朝日の出を含むまるまる二日間の撮影をした。一泊一人あたり約10万円かかるこの宿泊は砕氷時の豪快さと、氷上での滞在時間、普通では撮影できない時間帯に思う存分撮影できることを考えると安いものである。
今年の流氷は素晴らしくいい状態で360度見渡す限り一面の氷で覆われ参加者一同感動した。
アザラシの赤ちゃんたちも沢山誕生しており、流氷上では自分の赤ちゃんを決めて思う存分撮影したり、一緒に撮影したりして楽しんでいた。
二日目の3月2日もとてもよい天気で朝から夕方まで流氷に出ることが出来た。快晴であったが夕方から少し風が出てきた。
   
初日から二日間、とてもいいコンディションで撮影を行ったが3日目の朝起きてみるとホテルの窓に大粒の雨が吹き付ける大荒れの天気となっていた。
丸一日大荒れ状態は続きヘリコプターは飛ぶことが出来なかった。世界各地から沢山のお客さんが拠点基地のホテルに集まり始めたものの誰一人としてアザラシを見に氷上に出ることは出来なかった。
   
生まれた直後の赤ちゃんが私を母親と間違えてやってきた
 
 

2006年3月1日、17名の方々とタテゴトアザラシツアー2006でカナダのセントローレンス湾に向けて成田を出発した。
この冬は2月半ばまで流氷の状態が例年になく悪く、アザラシツアーの開催が危ぶまれたが2月の下旬になってから急に好転した。

途中バンクーバーを経由、モントリオールで1泊し3月2日の午後に目的地のマドレーヌ島に到着した。空港のターミナルは小さく出迎えと出発の人たちでごった返していたが、その中で一つの特別なグループが居た。聞いてみると、あのビートルズのメンバーの一人であったポールマッカートニーが環境保護の一環でタテゴトアザラシの現況を見に来ていたのだと分かった。

マドレーヌ島の観光は夏場がメインで、我々がアザラシツアーで利用するシャトーマドレーヌも通常10月から翌年の5月まで休業するが3月のアザラシシーズンだけ臨時に開業する。
空港には顔なじみのホテルの従業員と、アザラシツアーの担当者でカナダ生まれの日系3世の田中まゆみさん達が私たちを迎えに来てくれていた。

地元に住み、6年前から毎年お世話になっているリコプターのパイロットのAlin Royさん。
操縦桿を握っている時は精悍だが一歩ヘリを降りるととてもおもしろい人だ。


流氷上に向かうヘリコプターの助手席から。
 
マドレーヌ島到着翌日は今回の私のツアー参加者全員がそろって3機のヘリコプターに分乗し流氷上に出た。
今回の参加者の内、私を含めて3名はこれまで何度かアザラシを見に来たことのある方だが、その他の14名は初めての方なのでヘリコプターが流氷上に出てアザラシが居る海域まで来ると感激のあまり何人かの方が目に涙を浮かべていた。
着氷ポイントを探しながら飛行するヘリコプター。
氷上の黒い点々はアザラシ。
今年の初飛行は少し雲天ではあったが、まずまずの天候で、氷の具合もとても良く、おまけに島から近いところにアザラシの赤ちゃんの数もとても多い。
360度流氷で埋まったこの場所周辺には沢山のアザラシの赤ちゃんが誕生していた。
黒い点々はアザラシの親子。
ヘリコプターを降りた皆さんはカメラを担いで三々五々自分思いの方向に散らばりマイアザラシの赤ちゃんを見つけて思い思いの写真撮影に没頭していた。

氷の割れ目のわずかな隙間で泳ぎの練習をするアザラシに多くの人が集まってきて撮影をしていた。

氷の割れ目もすぐにシャーベット状に凍り始め泳ぎの練習をするアザラシの赤ちゃんも泳ぎにくそうであった。

泳ぎの練習をする赤ちゃんと、それをそばで優しく見守るお母さんアザラシ。

大きな氷の固まりのそばで休む赤ちゃん。
氷の陰はブルーに輝きとてもきれいな光を放っていた。

今年は生まれて1日以内のイエローコートの赤ちゃんがとても少なかった。

毎日2〜3Kg づつ太っていく赤ちゃんはまるで大福餅のような姿になっていくが、生まれてすぐの赤ちゃんの体は細長く黄色をしていて動きや表情がとてもかわいい。


まだ赤いへその緒をぶら下げ、かわいい表情で私の撮影に応じてくれた生まれたばかりのイエローコートの赤ちゃん。
 

アザラシのお母さんは約2週間しかない短い親子の関係を惜しむかのように子供の世話をしていた。

水中に潜ったお母さんを待っていた赤ちゃんはお母さんに甘えたくて仕方ない様子であった。

大きな黒い瞳はとても澄んでいて愛くるしい
ツアー参加された方々とパイロット、氷上のガイドさんたちと記念写真 (右端が私)
初日の氷上ツアーは全員いっしょなので撮影を終えて島に帰る直前に集合写真の撮影を行った。

流氷上でのアザラシツアーを終えて帰ってきた皆さん。
誰を見ても満足感100%で企画者として嬉しい瞬間でもある。

何人かの参加者で私が 『すばらしいタテゴトアザラシの赤ちゃんを見に行きませんか』 と何度か誘っても、『寒いからいやだ』 とずっと断り続けた方も、今回半信半疑で参加してみたが、浅尾さんの言うとおりで来て本当に良かったと言っていただいて私も嬉しかった。 一般的に誰にも 『流氷上も寒くないから』 と説明しても誰も分かってもらえない。
暑くはないが耐えられない寒さなではないことは参加してみないと理解していただけない。