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2004年4月10日から19日まで、インドのランタンボール国立公園で野生のトラを取材した。
トラの撮影は初めてで百獣の王に会うことはとても楽しみであった。これまでの情報では野生のトラの保護区に行っても間近で見ることはなかなか難しいと聞いていた。

インドのデリー空港に到着したのは夜8時過ぎであったが35度を超える暑さにはビックリした。翌日ニューデリー駅から列車でサワイマドプールに向かった。列車がなかなか来なかったことと途中工事箇所があり予定より遅れて午後2時過ぎに到着した。列車は寝台車で冷房も効き、横になって移動できたのでおよそ6時間の列車の旅も楽であった。

サワイマドプールの駅に着き駅のホームに降りて焼け付くような暑さにはビックリした。駅のホームを見ていたら私の名前を書いた紙を持って待ている人を発見。現地のホテルからの迎えの人だ。早速荷物を渡し、車に向かうと屋根のないオープンのジープが待っていた。他の車もみんな屋根が無く直射日光を受けてホテルに向かった。

1〜2分ほど走って私はまた仰天した。先ほど駅に降りたときの焼け付くような暑さよりもっともっと暑い熱気が顔に当たる。およそ3年間雨が降っていないとのことで、全てはカラカラに乾き、道路の舗装がまるで焼けたフライパンのよう。その熱気が私の顔に吹き付けるのには、かつて経験したことの無い暑さを感じた。
私のカメラバッグにつけてある温度計を見ると日陰で45度を超えている。恐ろしい暑さにこの先どうなることか不安になった。



トラの撮影風景 道路から外れることが出来ないので場所取りが肝心 この様な状態で長時間待つ

ホテルは国立公園のゲートから一番近いところを予約してあった。部屋はとてもきれいでクーラーもついていたが全く効果は無いほど外は暑かった。荷物を整理しその日の午後から早速トラの撮影を始めた。
ホテルから10分ほど走ったところにランタンボール国立公園のゲートがある。そこで手続きを済ませ保護区内に入るのだが専用の車しか入ることが出来ない。1日に入れる車の数は3〜4人乗りの小型のジープが17台、13人乗りの大型オープントラックが15台の合計32台のみ。広大な保護区であるが厳しく入場制限がかけられていた。私がチャーターした車は大型のオープントラックで荷台には13人ほど座れる椅子があるが、私は車高が高く草木の間からトラを撮影するには好都合であった。


崖の向こうのブッシュで休むベンガルトラ
 


ブッシュから出てきた美しいベンガルトラ なかなか前進を見ることは難しい

滞在中国立公園には11回入場し、毎回トラを発見することが出来た。3年間も雨が降っていないこの保護区は、焼け付くような暑さの中で山の姿はまるで冬山のように木の葉は全く無く、草は枯れ果てていた。ただ山の谷間は僅かに水があり、その周辺は僅かではあるが緑があった。今回の撮影はこの乾燥が幸いした。水辺を中心にトラを探し回ったが毎日トラを見つけることが出来た。

毎日トラックの荷台で激しく揺れながらトラを探し回る時、私は肋骨を強打し、動けなくなってしまった。
滞在中何の手当も出来ず、寝起きの時に激痛が走るが立って動いている時はそんなに痛みも感じなかったので、そのままにしていた。帰国しても痛みが引かないので病院に掛かると、やはり肋骨の1本が折れていた。先生曰く、肋骨の2本や3本折れても1ヶ月もすると治るので驚くことはない。 それにしても暑い取材であった。

 
 


2004年5月7日から15日まで、2回目のインドのランタンボール国立公園で野生のベンガルトラの撮影を実施した。
成田を出発するに当たっておよそ機体整備の問題で1時間半の遅れが出た為、ニューデリー到着は夜10時半過ぎとなった。ニューデリーはその時間でも35度程度の気温で暑さを感じた。その夜の予約してあったニューデリーのホテルはオーバーブックであったため急遽Meridianホテルに変更されたが、こちらのホテルの方がずっと立派なホテルであった。出発に続き2度目のトラブルであった。
翌朝7時にホテルを出てニューデリー駅に行き、ここから列車でサワイマドプールまでの移動である。距離にしておよそ450Kmであるが列車の速度は70〜80Km程度の速度などでとても時間が掛かる。前回も同じコースをたどったが地図上ではどこを通ったのか全くわからなかったので今回はGPSでどのルートで移動しているのか詳細にデータを取った。

午後2時過ぎにサワイマドプールに着いた。昨年は列車を降りたとたんに目がくらむほどの暑さを感じたので今年も同じように想像して降りた。しかし昨年と比べるととても涼しく感じ、また視界がとても悪い事に気が付いた。気温はそれでも40度位はあった。視界が悪いのは北部の砂漠地帯で強風が吹きこの地域に黄砂が吹き付けてきていたのだった。一面黄色くほこりっぽいのには参った。

その日の午後からベンガルトラを求めてランタンボール国立公園に入った。丁度とてもきれいな赤い花が満開でまるで日本の秋に柿の木に赤い実が熟して沢山なっている光景に似ていた。
初日、二日目、三日目とトラは全く見られる気配がなかった。ガイドのSinghさんも一生懸命探しているのだが足跡はあってもトラが現れてくれない。やはり気温が低いせいでトラたちが水を飲みに出てこないのだと言う事になった。それでも広大なトラが住んでいそうな所を毎日毎日車で探し回った。三日目になるとさすがみんな黙ってきてトラが見られない焦りが出てきた。東京を出発する前に現地のガイドとメールの交換をし今年は生後3〜4ヶ月の子供が数頭いると聞いて楽しみにしていたのに何と言う事だ。


とてもきれいな花で満開の木でくつろぐハヌマンラングール

4日目になった。まだトラは我々の前に現れてくれない。ホテルの情報板でも誰も見たとの報告が書いてないので我々だけが見られないのではなかった。他の車に聞いても誰も首を横に振るばかりだった。
4日目の午後、国立公園内で1台のジープがスピードを出して移動するのを見つけた。これは何かあると予感した。早速その車の方について暫く走るとその先に沢山の車がありその荷台から人が立ち上がって一方向を見て居る。”トラだ” やっと我々の前に現れてくれたかと私は一安心した。が、それもつかの間。みんな同じ方向を見ているがどこにいるのか全くわからない。ガイドに確認してもらうとおよそ100mも先のガケの下に大きな洞穴が3つ有り、その真ん中の洞穴で虎の親子が寝ているというのである。望遠レンズで覗いても中々見えない。これでは写真にならないので待つ事にした。

およそ2時間待った時、突然トラの親が洞窟からでて来た。その前に私はトラが出てきたときにどちらに向かって歩くかを計算していて、背景が素晴らしいところを横切ってくれる事を期待した。広角レンズをつけて待っていた。しかしトラの親は我々とは反対の遠い方向に向かって歩いていった。暫くすると2頭の可愛い子とトラもお母さんを追っかけて洞穴から出て行った。 その先には道など全くないところで岩山なのでとても追っかける事は出来ない。他の車も一斉にトラが行きそうな場所に向かって移動した。我々も探し回ったが見る事はなかった。
その夜はトラの話で持ちきりになった。やはり子供のトラが2頭いた。情報では他にも子連れが居るとの事であったが全く見る事は出来ない。

翌朝は5日目、6時前にホテルを出て昨日居たあたりを捜索する事にした。一直線にその場所に向かったら既に1台のジープが止まっていた。ガイドがトラだと言った。昨日よりずっと近いところで親子のトラが休んで居るではないか。おまけに子供のトラはお母さんにじゃれ合って遊んでいてとても良い光景だった。しかし手前に枯れ木があって場所的に難しかった。暫くしていると沢山の車が集まってきた。みんな考える事は同じで次から次へと車が来たものだからトラは移動を始めた。そうなると私たちのガイドは強い。ここのガイドを取り仕切るベテランガイドを指名していたので先回りをしてトラが来るところで待っていた。暫くすると親子3頭の虎が私たちの車のすぐ前を通って道を横切っていった。皆さんは興奮しまくりであった。

こんな可愛いトラの赤ちゃんがお母さんとじゃれ合って遊ぶ光景が間近で見られたのはラッキーであった。


5日目にやっと私たちの目の前に現れてくれたトラの親子

6日目も探し回った。しかし全くトラを見たという情報は無かった。やはりトラを見るのはそんなに簡単には見られない事がわかった。昨年は毎日見られたので今年も同じように見られるかと思ってきたが大間違いであった。
トラが見られなかった分、他の多くの動物たちの写真を撮る事が出来た。トラが居たら見向きもしないような動物たちも今回はたっぷりとじかんをかけてとることができたのは嬉しいやら悲しいやら。


森の中では小さなシマリスたちが沢山見られた。

 
暮れも押し迫った2005年12月11日から18日までインド中央部にあるバンダヴガル国立保護区(Bandavgar National Reserve)に単独ベンガルトラの撮影に出かけた。

今回の主な目的は2006年4月に予定しているベンガルトラ撮影ツアーの下見調査ではあるが冬のインドは初めてであったので色々と経験することが多かった。

この時期、バンダヴガルの朝は摂氏3〜5度ととても寒いのには驚いた。暑いイメージがあったため着るものも薄いものが中心に持って行っていたので、早朝の撮影はホテルから毛布を借り、湯たんぽをおなかに当てての撮影であった。
しかし日が昇ると快適な気温となり毛布など無くても十分活動が出来る状態となる。

バンダヴガル国立公園は全体では1100平方キロの広さがあるが一般に公開されているのは全体の10分の1ほどで、その範囲にはおよそ25頭のトラが生息しているとのことなので、なかなか見るのは大変だ。




早朝、鹿の警戒音を聞きその周辺に集まりトラの行動を待つ車。
トラが移動を始めると他の動物たちが警戒音を発してお互いに知らせ合うのでその周辺にいることがすぐに分かるが姿はなかなか見えない。



暫くしているとゾウ使いが来てブッシュの中のトラを探し、見つけると車の所まで戻ってきて観光客をゾウの背中に乗せてトラの居るところまで連れて行ってくれる。ゾウはどんなブッシュの中でも入っていくのでとても頼もしいが背中で乗っているとかなり揺れ動き、またゾウが鼻で木々の小枝を折り進むのでその反発が返ってきて大変だ。ゾウ使い以外に4人が背中合わせに乗ることが出来る。
一回象に乗るのに700ルピー約2000円がかかる。
車からゾウの背中に乗り込む観光客



朝靄の中に浮かぶアキシスジカ。森の中には沢山の動物が生息しているが、その代表的なものがアキシスジカだ。密林のどこに潜むか分からないトラの恐怖を感じながら生活している。トラが移動するのを発見すると大きな警戒音を出し周辺の動物たちに知らせる。
私たちはこの警戒音を聞きつけトラを探す。



森の中でサンバーを捕らえ食べている若いトラ。



眼光鋭いトラの目は夜や森の中でも的確に獲物をねらうことが出来る。




トラは年をとるに連れて風格が増し、とても美しくなるが若いトラは警戒したり怯えたりした時にすぐに牙をむき威嚇行動をする。

ゾウの背中に乗ってブッシュの中をトラに近づくと恐怖のあまりか私たちに向かって牙をむき威嚇する若いトラ。
 

  



2006年4月13日から20日までインド中央部に位置するバンダヴガル国立公園( Bandavgar National Park )に美しい野生のベンガルトラの撮影ツアーを実施した。この時期のインドは暑く、またこの国立公園が位置するインドの内陸部はことのほか暑いことでも知られている。
今回のツアーはクラブツーリズム(株)の主催し、私が同行指導するもので7名の方々が参加された。通常インドへの旅行は11月から3月頃までがシーズンであるが、あえて4月の中旬を選らんだのは、この時期はとても暑く、長い間雨が降らず、草木も葉を落とし森の中の見通しが良くなる。そして同時に森の中に潜んでいるトラが暑さに耐えかねて水場に出て水を飲み、水につかって体温を下げるので訪問する人間にとってはとても暑いが、なかなか見られないトラを見るにはとてもいい時期なのである。

 
他の動物の警戒音などからこの周辺にトラが居留事が判明した場合、多くの車はそこでじっとトラの動きを待つ。
30分、1時間、2時間と待つが、その間にどこからトラが現れてくるか分からないので待機中も気を抜くことは出来ない。
 
ブッシュの中にトラが居ることが分かるとゾウ使いがやってくる。希望者は車からゾウの背中に乗り換えてトラが潜んでいるすぐそばまで行くことが出来る。アジアゾウは小さい印象があるがかなり大きく、ゾウの背中に設置された荷台にはゾウ使いの他に大人4人が背中合わせで載ることが出来る。少々狭いがゾウ使いはトラのそばに行くと左右それぞれの位置からトラを見せてくれる。しかし撮影できる時間は数分しかないためとても忙しく、いいショットを撮ろうとするとなかなか難しい。
ゾウはゾウ使いの指示することを良く理解しゾウ使いの自由が自由に操ることが出来る。
ブッシュの中にはいると木々の小枝などを象の鼻でへし折って進むが小枝が折れた反発が返ってくるので注意している事が必要だ。
ここバンダヴガル国立公園で象に乗る費用は700ルピー(およそ2000円)で時間単価は決して安くない。

ゾウの背中に乗ってブッシュの中へトラを見に行く黒田さんと松山さん。
 
ゾウの背中に乗ってトラが潜むブッシュの中に入っていくと草陰に若いトラを発見した。
かなり臆病でゾウが近づくと牙をむいて威嚇し、それでも近づくと逃げ腰になった。
ブッシュの中のトラは近くで見られるが小枝などが邪魔をしてなかなかきれいに見られない。
 



二日目の早朝、谷を挟んだ向こうの丘に生後3ヶ月の3匹の小さな子供のトラを連れた家族が移動しているのを発見した。私の位置からはかなり遠いのと手前の木々の枝や草などが邪魔をし全部のトラが一枚の写真に収まるタイミングは少なかった。母親のトラは小さな子供のトラを人間には近づける事はなく、滞在期間中3匹の親子連れを見られたのはこの瞬間だけであった。



翌日の夕方、親子連れの母親だけが道のすぐ近くまで出てきて私たちを興奮させた。
子供はブッシュの中に隠しており日が落ちるまで出てくることはなかった。
 



母親は私たちの車と共に暫く移動したが道を横切って再びブッシュに入っていった。写真では明るく見えるが夕刻で相当くらいがデジタルカメラは貴重な瞬間を確実に写すことが出来る素晴らしいカメラだ。
 



昼間の暑い時間帯は動物たちの昼寝の時間だ。多くの動物は安全を確認しくつろぎのひとときを楽しむ。 写真は枝の上でくつろぐハヌマンラングーンのカップル。




野良犬のような容姿だが今ではなかなか見ることの出来ないドール(Dhole)。 アカオオカミ、Wild Dogとも呼ばれ、中央アジア、マレーなどに生息し、体長はおよそ1mで中型のオオカミのような体型をしている。
性質はどう猛でこのドールにねらわれるとどこまでも追いかけられ逃げられる事はまず無いと言われる。これまで見たことはなかったが今回運良く見ることが出来た貴重な動物だ。


バンダヴガル国立公園のメインゲートのすぐそばの看板の上にフクロウのカップルが居るのを見つけた。このカップルはかなり警戒心が強く私の動きを警戒していたが数枚写した時点で飛んで逃げていった。